スパイスカレーで旨味に困ったら。。。
スパイスカレーに挑戦し始めた当初「香りはものすごく美味しそうなのに味がしない」という悩みがありました。
スパイスと食材を買い込んで、友達とカレー合宿をやった時も、とにかく味が出なくて大量の塩を投入。でも深みが足りなくて食後の宴会用に買っていたお菓子からチョコレートを漁って投入。結局めっちゃスパイスの風味豊かな”あまじょっぱい何か”が出来上がりました。
今でこそ笑い話ですがあれは完全に失敗やったね!笑
すでにスパイスカレーに挑戦して、同じ悩みを抱えた人もいるかもしれませんね。。。
確かにチョコとかフルーツの甘みを使って厚みのある味にするのも一つの手なんですが、それに頼りすぎると訳のわからん味になる可能性も大です。
王道を話せば、テンパリング後の具材を調理する段階でしっかりと水分を飛ばして旨味を出すのが正解なんですが、形としてカレーが出来上がってしまうと後戻りはできません。
では、どうしたらいいのか?
答えはめっちゃ簡単。
ケチャップ入れたらなんとかなります。
冷ましたり、冷凍したりして再度加熱するという方法もありますが、カレー作った時って今すぐ食べたいですよね。じゃぁケチャップ入れましょう!
知り合いのインド人のママにカレーを教わったときも、旨味が足りなければケチャップ。カレーらしい風味が足りなければガラムマサラを入れて仕上げていました。
めっちゃ簡単やし、加工品を使うのでちょっと気が引けますが、チョコレートと塩を投入するより美味しいカレーに仕上がります。笑
ケチャップ入れちゃいなよ。
ところでケチャップって何やねん。と思いWikipediaで調べてみました。
「ケチャップは完熟トマトを加熱して漉し、さらに低温で煮詰めてトマトピューレを作る。それに、砂糖、食塩、酢、オールスパイス、クローブ、シナモンなどを加える。玉ねぎ、セロリ、その他の野菜がしばしば加えられる。」
玉ねぎ、トマトにスパイスいれたらもうカレーですね。笑
そりゃ、カレーの仕上げにはもってこいなはずです。
ということで旨味に困ったらケチャップを入れましょう。
余談ですが、カレーだけじゃなくて旨味を引き立てたい時はケチャップがオススメです。
つい先日STAUBでおでんを作った時もケチャップを入れたらとても美味しく仕上がりました^^(ケチャップの味はそこまで主張ありませんでした。)
人生に少しだけスパイスを。
ベースの風味を作る「テンパリング」という魔法
スパイスカレーを作る上でまず欠かせないのが「テンパリング」
スパイス料理のベースとなる風味を作るために必要不可欠な技法を今回はご紹介します*(ちなみに、僕が知人から教えてもらったときは「タルカ」という名前でした。)
テンパリングって聞いたこともないし、なんだか特別な所作な気がします?
実はそうでもないんです。ちょっと料理が好きな人なら以外と親しんでますよ*
ペペロンチーノを作るときにニンニクと鷹の爪をジワジワ炒めてオリーブオイルに香りをつけた経験ありますよね?
実はこの、スパイスを油で炒める行為こそが「テンパリング」なんです*
イタリアンにおいて、オリーブで炒めたガーリックの香ばしい風味が全を包むように、スパイス料理においては、クミンやグローブといったホールスパイスを油で炒める事でベースの香りが形成されるんです。
テンパリングしたホールスパイスの香りはパウダーやフレッシュのスパイスと違って、調理で風味が飛びにくくいのが特徴。なのでテンパリングをするのとしないのとで風味の厚みがまるで違うといっても過言ではありません。
僕自身、パウダースパイスだけでカレーを作ってた時は「なんか物足りないなー」とずっと思ってました。でもクミンのテンパリングを教えてもらって初めて作ったカレーがとても風味豊かで真のバシッと決まったカレーになったのを覚えています!
中火で熱した油にホールスパイスを入れて、シュワシュワと炒めるだけでOKなのですぐにマスターできると思います。
以下にテンパリングの一例をご紹介します。
●ニンニク、鷹の爪
肉のグリルやパスタ、スパイスレシピなど、幅広い料理に効果的。食欲をそそる風味と香りが特徴的。
●クミン、コリアンダー、グローブ
カレーを作るときに欠かせないホールスパイス。この3つをテンパリングするだけで本格的なカレーに近づきます。
●コリアンダー、マスタードシード
爽やかな風味が出るのが特徴。牛、豚、鶏などのグリルのほか、臭みのある魚の臭い消しにもオススメ。
スパイスを買うとカレー作りにしか使わないor使えない人が多いかと思いますが、テンパリングを使うと野菜炒めや焼飯、焼肉など色んな料理に応用できるので是非トライしてみてください*
僕はテンパリングして塩胡椒でお肉やお野菜を炒めるだねの手抜き料理にかなり救われてます。
カレーを食べる直前に、テンパリングしたオイルをかけて食べるのもオススメですよ!
人生に少しだけスパイスを。
【スパイス】僭越ながらスパイスの定義をしてみた。
スパイスカレーのレシピやスパイスの紹介を始めましたが、
「そもそもスパイスってなんやねん」っていう話をすっかり忘れていました。
本とか、スパイスセミナーで得た知識で、僕なりにスパイスの定義をしてみます。
<スパイスの定義>
芳香性植物の一部(種子、葉、華、樹皮など)で、人の生活に有益なもの
生活に有益というのは単に食用だけではなく、薬や染物、芳香材など様々な用途で利用されることも指します。
食用としてはカレー作りに欠かせない存在ですね。
その他の有用性として例を挙げると、ターメリックやサフランは仏教の僧侶の袈裟を染める染料として用いられたり、グローブやフェンネルシードはそのまま囓って歯周病や口臭予防に用いられたりします。
神様への奉納品としてウコンや胡椒が納められていたという歴史もあるくらいスパイスは人の生活に欠かせない・有益なものなのです。
まぁ僕らが関わっている社会では完全に食用としてピックアップされているので、美味しいところだけ恩恵を授かりましょう。
ちなみに僕なりのこの定義ではハーブもスパイスに含んでいます。
バジル、ローズマリー、パクチー、ローリエなんかもスパイスということです。
<スパイスの種類(状態別)>
スパイスは、生のままの「フレッシュスパイス」、乾燥させた「ホールスパイス」、ホールスパイスを焙煎・粉砕した「パウダースパイス」と状態別に分けることができます。(以下は代表例)
●フレッシュスパイス
ニンニク、パクチー、レモングラス、青唐辛子、など
●ホールスパイス
クミンシード、カルダモン、グローブ、シナモン、など
●パウダースパイス
ターメリック、コリアンダー、ナツメグ、など
タイカレーなどでは、フレッシュスパイスをすり潰してペースト状にしたものも使われます。
それぞれのスパイスの使い方は、またご紹介させていただきますね。
長くなったので今回はこの辺りで。
人生に少しだけスパイスを。
【レシピ】蓮根の食感がクセになる、ドライキーマカレー
パーティーなんかで1品持ち寄りの機会って多いですよね。
僕はサモサを作ってよく持っていくんですけど、
有難いことに「ヨシヒロくんのカレーが食べたいねん」という声をいただいてます*
ただ、スープ系のカレーは持っていくの大変やし、お米もいるのでなにかと面倒。。。
でも僕のカレーを食べて欲しい!ってことで、パンやクラッカーにも合うドライキーマカレーのレシピを考案しました。
普通のキーマを作っても面白くないので僕の大好きな徳島県の名産品の蓮根を使ってクセになる食感を演出してみました^^
【蓮根の食感がクセになる、ドライキーマカレー】
<材 料>
●食材
玉ねぎ(中):1個 →粗みじん切り
トマト(中):1/2個 →みじん切り
蓮根:100g →みじん切り
ピーマン:2個 →みじん切り
合挽きミンチ:200g
●スタータースパイス
クミンシード:3ml
マスタードシード:2ml
カルダモン:2個
グローブ:3個
鷹の爪:1本
シナモン:1片
●パウダースパイス
クミンパウダー:2ml
コリアンダーパウダー:2ml
ターメリック:1ml
ナツメグ:1ml
カイエンペッパー:1ml
粗挽き黒胡椒:1ml
ニンニク:1片 →擦りおろす
ショウガ:1カケ → 擦りおろす
塩:少々
砂糖:2ml
ミル挽きの山椒:お好み
オリーブオイル:30ml
<調理方法>
1.オリーブオイルを中火にかけ、クミンシードを2粒程度入れてみて、シュワシュワする温度まで温める。
2.スタータースパイスを入れ香りが立つまで炒める。(焦げないように注意!)
3.ニンニク、生姜を入れて、こちらも香りが立つまでさらに炒める。
4.玉ねぎを入れ、スパイスになじませたら塩を少々入れて強火にかける。
5.全体的に焦げ茶色になり所々黒くなりかけた頃にトマト、塩少々を入れ更に炒める
6.トマトの水分が飛んでペースト状になったら弱火にしてパウダースパイスと塩少々をいれ、全体になじませるように少し炒める。
7.蓮根、ミンチ、塩少々を入れて中火にかける。
8.全体的に火が通ったら砂糖、ピーマンを入れ、さらに加熱する。
9.味が薄い場合はケチャップと塩で味を整え、ミル挽きの山椒を振りかけたら完成
蓮根の変わりに、タケノコや人参、ごぼう、ジャガイモなんかも楽しそうですね!
ドライキーマはライスと一緒に食べてもよし、お酒のアテとしてパンやクラッカーに乗せて食べるのもありですね*
ちなみに僕は、他のカレーにちょこっと添えて合いがけにする食べ方が好きです。あ、あとご飯にドライキーマを乗せてコンソメスープで茶漬けにするのもかなりおすすめです!
と、なにかと使い勝手の良いカレーなので是非お試しください^^
人生に少しだけスパイスを。
【スパイス】よく耳にするガラムマサラの正体は・・・
「カレーはスパイスから作ります」って言うと「ガラムマサラとかつかうの?」ってよく聞かれますが答えはNOなんですよね〜。
確かに、ガラムマサラはどこのスーパーにも売っててとても手にはいりやすいスパイスです。
先日ご紹介した「【レシピ】クミンとガラムマサラだけで作る、チキンカレー 」は新しく調達するものを極力少なくして、みんなにスパイスカレーを作って欲しいなーと言う思いで作りました。ただ、使うガラムマサラによって仕上がりが大きく左右されるので、僕は基本的には使いません。
ではなぜ、仕入先が違うと風味が大きく変わるのか。
それは、ガラムマサラがミックススパイスだからです。
マサラとは色んなスパイスを調合したミックススパイスのことで、ガラムマサラは
ガラム(辛い・熱い)
マサラ(ミックススパイス)
という具合に、辛味や熱い感覚にさせてくれるスパイスの複合体のことを言います。
シナモン、グローブ、ナツメグをベースに、胡椒やクミン、カルダモンなどが含まれていて(実は辛味より風味要素が強い)その配合が仕入先によって異なるんです。
マサラはこの他にも、チャイマサラ(チャイ用のミックススパイス)、チャナマサラ(ひよこ豆用のマサラ)などいろいろあります。
余談ですが、チャイは単にミルクティーを指すのでシナモンやカルダモンの効いたものを飲みたい場合は「マサラチャイ」かどうか確認して注文しましょうね*
ガラムマサラはいわゆるカレーっぽい風味が簡単に演出できるので、いろんな料理にアクセントとして加えることができます。ちなみに、風味が豊かになると塩分控えめでも満足感が出やすいのでヘルシーにもなります。(以下、ヨシヒロくんのオススメ)
・チャーハン、餃子、麻婆豆腐、ポトフ
・揚げ物、炒め物
・塩と混ぜてカレー塩に
・焼肉や焼き鳥の下味に
もちろん、ルゥで作ったカレーにガラムマサラを加えるとより本格的な風味になります。(僕もスパイスカレーの始まりはガラムマサラからでした。)
自分でスパイスを調合するのは大変だと思うので、
お気に入りのガラムマサラを使って、スパイスレシピに挑戦してみてください*
これにかけたら美味しかった!って言うのがあったらぜひ教えてください^^
人生に少しだけスパイスを。
【スパイス】クミンシードで普段の料理が風味豊かな1品に。
先日、クミンシードとガラムマサラだけで作るカレーをご紹介しました。
初めてのレシピ公開で上手く伝えられただろうか、本当に再現できるだろうか?なんて心配もあったんですが、記事を見て早速作ってくれた人もいて、「美味しくできたよー!」とか「他のカレーも教えてー!」なんて言葉も色んな人からもらって、めっちゃ嬉しかったです。ありがとうございます*
ところで、カレーを作るためだけにスパイス買うのも勿体ないですよね。前回のレシピで言うと、クミンシードなんてほとんどの人にとっては謎の種。
「クミンシードってカレー以外にどうやって使うの?」
「ヨシヒロくんみたいに頻繁にカレー作らんし、余ってもったいないな。。。」
なんて思う人もいるはずです。
ということで、スパイス紹介シリーズ第1弾はクミンシードについて書きます!
<特 徴>
香り: ツンと鼻をつく力強い香りで、いわゆるカレーっぽい風味
薬効: 食欲増進、肝臓、下痢
<使い方>
●「スタータースパイス」としてベースの香りを作る
ホールスパイス(実のままのスパイス)は調理スタート時に油でじんわり揚げるように炒めることでベースの香りを作ります。カレーはもちろん、炒め物やグリルの調理前にニンニクと合わせて香りを作りましょう!
こんな風に調理の最初に使うホールスパイスを「スタータースパイス」と言います。スタータースパイスで作った香りは調理しても飛びにくいのが特徴です。
●ミルで挽いて一気に香りを引き立てる
ステーキに粗挽きのコショウをまぶすように、調理の仕上げにミル挽きするとクミンの香りが最も引き立ちます。揚げ物や焼き鳥なんかにオススメです。煮込みすぎてフレッシュな風味が飛んでしまったカレーの仕上げにもグッド。
●煮炊き、漬けに加えてじんわり風味づけ
ポトフなんかのスープに一つまみ加えて煮込むのもオススメです。ローリエやセロリと混ざり合ってより風味豊かになります。ピクルスを漬けるときも同じ理屈で美味しく仕上がります*
カレーやピラフ用のご飯と一緒に炊き込んでクミンライスにするのもいいですね。ご飯に色や混ぜ物が入っているだけでなんだか贅沢な気分になりますよ^^
クミンシードは普段の調理に加えるだけで、文字どおり一風変わったお料理に仕上がります。特に、炒め物のスタータースパイスで使うのはめっちゃオススメです。
一般的なスーパーでも手に入り易いので、ぜひ使ってみてください*
(ちなみに僕は消費量が多いので1kgとかで買います。笑)
人生に少しだけスパイスを。
【レシピ】クミンとガラムマサラだけで作る、チキンカレー
先日の投稿でスパイスカレーは簡単という話をして、めっちゃざっくり手順も紹介しました。
とはいえ、作り方なんでわかりません。と言う人のために、
今回は誰でも作れるレシピを紹介したいと思います。
まず、手順のおさらい。
<スパイスカレー>
1.油でホールスパイスを炒めて香りを出す
2.具材を足して炒める
3.ブレンドスパイスを入れて更に炒める
4.水を入れて煮込む
やっぱ シンプルだと思うのは僕だけでしょうか。ルーのカレーが簡単な料理の部類に入るのであれば、スパイスカレーも簡単だと思い込見ましょう!
では、早速レシピへ。今回はクミンシードとガラムマサラだけで作るチキンカレーをご紹介します。いつも僕は家宝のSTAUBを使いますが、なるべくみんなと同じ環境にしたくて普通の鍋を使います。
【クミンとガラムマサラだけで作る、チキンカレー】
<材 料>
玉ねぎ(中):1個 →みじん切り
トマト(中):1個 →みじん切り
鶏モモ肉:1枚(300g目安) →お好みの大きさにカット
ニンニク:1片 →みじん切り
ショウガ:1カケ → 擦りおろす
クミンシード:5ml
ガラムマサラ:13ml
ほんだし:1ml
塩:少々
砂糖:1ml
オリーブオイル:40ml
水:100ml
<調理方法>
1.オリーブオイルを中火にかけ、クミンシードを2粒程度入れてみて、シュワシュワする温度まで温める。
2.残りのクミンシードを入れ香りが立つまで炒める。(焦げないように注意!)
3.ニンニク、生姜を入れて、こちらも香りが立つまで炒める。
4.玉ねぎを入れ、クミン、ガーリックとなじませたら塩を少々入れて強火にかける
5.全体的に焦げ茶色になり所々黒くなりかけた頃にトマト、塩少々を入れ更に炒める
6.トマトの水分が飛んでペースト状になったら弱火にしてガラムマサラと塩少々をいれ、全体になじませるように少し炒める。
7.鶏肉、塩少々を入れて全体になじませる。
8.水、ほんだし、砂糖を入れ、蓋をして中火で沸騰するまで煮込む。
9.沸騰したら弱火にして10分程度煮込む。
10.塩で味を整えたら完成。
どんなカレーも作りかたはほとんど同じ
使うスパイスや具材をかえるだけでいろんなカレーができます。
辛いのが好きな人はクミンシードを入れるタイミングで鷹の爪、ガラムマサラを入れるタイミングでコショウを入れるとよりスパイシーに。
マイルドにしたい場合は水の替わりに牛乳とかココナッツミルク入れるとまろやかに。
今回ご紹介したレジピで、肉を豚や牛にするだけでも違う味・風味に仕上がります^^
ガラムマサラもいろんな種類があるので色々試してみても面白いです*
人生に少しだけスパイスを。