スリランカ滞在記Vol.15(サンボールとムニムニが絶品)
耳あたりのよい調理の音で目が覚める。やばい!メモとペンをもって急いでキッチンへ向かう。料理を教えてくださいとは言ったものの、ママは毎度予告なしに淡々と調理を始める。幸いにもまだ材料を切り終わったところのようだ。
「サンボールは好き?」と聞かれたが、昨晩ダンブッラで食べたそれが美味しくなかったので、正直に伝えた。「大丈夫、ウチのは美味しいから」とせっせとサンボールを作り始めた。
庭におかれたかなり年季の入ったすり台でチリやココナッツファインといった材料をがちゃがちゃと潰し混ぜて最後にガーっとライムを絞ってサンボールができた。ライムの鮮烈な香り。昨晩のものとは既に違う。
さらにママは「今日は面白いものを作ってあげるね」と見たこともない道具を出してきた。
うわ~、めっちゃたいそうなん出てきた。どうやらところてん方式で麺を作る器具らしく、中央がるつぼのようになっていて両側に持ち手がついている。器具に見とれていたが、ママは淡々と調理を進める。小麦粉と水をボウルでこねて、るつぼ部分に投入し、ハンドルを握ってムニムニと素麺くらいの麺を出す。手の平くらいのザルの上に満遍なくムニムニを盛る。これをひたすらこしらえる。
僕もムニムニを体験させてもらったが、これがめちゃくちゃ難しい。均一にハンドルを握らないと均一にムニムニが出てこない。さらに大きな器具をザルの上で小さく動かすのにも器用さが求められた。
ザルのムニムニを鍋に重ね入れ、蒸しあげればストリングホッパーの完成だ。
蒸している間にポテトのココナッツカレーを作った。
ストリングホッパーも蒸しあがり、全てを器に盛り付けたらいよいよいただきます!
サンボールは昨晩、ダンブッラで食べたものとは比べ物にならないくらいに美味しかった。ココナッツのシャキシャキした食感にチリとライムの鮮烈な風味がたまらない。ココナッツのまろやかさとモルディブフィッシュの旨みが噛むごとに広がる。これが本物。昨日サンボール嫌いになりかけて、今日大好きになりました。
ストリングホッパーはほぼ素麺でした!正確にいうと夏場食卓に並ぶ冷麦の後半戦。麺同士がくっついて箸で解せないあの状態が一番近いです。これを甘みのあるスープタイプのポテトのカレーをかけて食べます。これもめっちゃ美味しい。この滞在期間中に食べたものの中で一番美味しかった。ピリ辛フレッシュなサンボールを混ぜて食べるとさらに美味でした。(このブログ書いててまた食べたくなってきた)
ちなみにこの日は、日本で働いている息子さんが帰って来ていたのでみんなで食卓を囲みました*
2日ぶりだけど、家庭の味はやっぱりいい。大阪のスパイスカレーのように鮮烈なカレーやインド料理屋のこってりとしたスパイス料理もいいけれど、僕が求める作りたいスパイス料理は毎日食べられるものなんだと感じた。
人生に少しだけスパイスを。