カレーのトマトはどのタミングで入れるか?
これまで料理教室やらこのブログでのレシピで散々スパイスカレーの作り方をご紹介してきました。今ではいろんな人にスパイスカレーって意外と簡単だなと思ってもらえているようで嬉しい気持ちでいっぱいです。
1 ホールスパイスをテンパリング
2 玉ねぎ→トマトの順で炒める
3 パウダースパイスを馴染ませる
4 水を加えて煮込めば完成
と確かにスパイスカレー作りは簡単なんですが、僕がスパイスカレーを作り出した頃は失敗の連続でした。
なにせスパイスの調理方法・タイミングがわからず、ホールスパイスもパウダースパイスも、とりあえず炒めた具材を煮込む時に水と一緒にガバっと入れてました。それはそれは雑味まみれでとても食べられたものではありませんでした。
もともと料理が好きだったので思い通りにならないのが悔しくて、そこから勉強がスタート。母親の知り合いのインド人のママに頼んで料理教室を開いてもらいました。
そこでようやくスパイスの使い方、カレー作りのイロハを学びました。
1 ホールスパイスをテンパリング
2 玉ねぎを炒める
3 パウダースパイスを入れる
4 トマト・水を入れて煮込めば完成
なんだこんなに簡単だったのか!!特別な味付けはしていないのにきちんと本格的なカレーになっていて目からウロコでした。でもふと気づきました。
冒頭に述べた手順とはじめに学んだ手順が違う!!!
ポイントはトマトの投入タイミング
初期: パウダースパイスと玉ねぎを絡めた後にトマトを投入
現在: 玉ねぎを炒めた後にトマトを入れ、炒めた後にパウダースパイスを投入
つまりはカレーの素(パウダースパイスを加え混ぜわせたペースト)にトマトが入っているか否かと言うこと。
結論から言うとトマトの主な役割を「旨味」として扱うか「風味(酸味)」として扱うかによってベストなタイミングは変わります。
「トマト入りカレーの素」は酸味が少なく、どっしりしたコク
「トマト無しカレーの素・トマト後入れ」は酸味があって、口当たりさっぱり
トマト後入れは仕入れるトマトの品質にめちゃくちゃ左右されるので、コンスタントに同じ味を出したい場合は「トマト入りカレーの素」がいいと思います。トマト缶を使えばさらに安定しますね。
最近はレシピ作りはせず、フィーリングカレーを楽しんでいるので、マイブームはトマト後入れカレーです。
同じ食材を使ってもステップを一つ入れ替えるだけで全く違うものになるのもカレーの面白いところですね。
人生に少しだけスパイスを。
自由こそ料理の醍醐味
料理教室や、いつでも誰にでも美味しいカレーを出せるようにとここ2年ほどはせっせとレシピ作りに勤しんでました。
でも近頃は、きちんと作らなければならない、誰でも作れて美味しいと思えるものを作らないといけない、などなど「〜でなければならない」と言うのに知らず知らず侵されていてちょっと見失ってたところがありました。
で、いったん自分が積み上げてきたスパイスカレー作りを作りを手放すことに。
で、早速スパイスカレー作りに目覚めた時の見よう見まねで作ってたカレーを再現しました。
きちんとした工程なんて意識せず、勘と経験で感じるが思うがままに手際よく。
その結果、この頃思うようにいってなかったカレー作りが嘘のように、素直に美味しいカレーができました*
やっぱりカレーって簡単やん。笑
そしてやっぱり料理が好き。楽しい。
レシピにこだわらないから二度と作れない。でもどんな味になるかわからないから毎回心を込めての真剣勝負。
でも楽しさと、食べてもらう人への愛情かがあれば美味しくなるのが料理。
作り手のエネルギー色がそのまま反映される。
僕が料理が好きな理由って自由なとこだった。
僕の周りの人を幸せにできるものをもっともっと作りたいなぁ
人生に少しだけスパイスを。
スパイスの食感
料理教室で毎回「スパイスが料理に与える役割は3つ。①香り②辛み③彩りを加えること」って大きい顔して言ってる僕ですが、昨日作った「なばなのおひたしクミンシード和え」を食べていて気づいたことがありました。それはスパイスの「食感」です。
この料理、なばなをさっと湯がいて、めんつゆと鷹の爪、クミンシードで和えるだけの超簡単メニューなのですが、これがうまい。クミンシードは確かに爽やかな香りを演出してるんだけどそれ以上の働きをしていたのが「食感」としての役割だった。
クミンシードの爽やかな風味は確かに感じるが、炒ったり挽いたりしていないのでひっそりと和のハーモニーに馴染んでいた。そしてなによりプチプチとした食感がたまらない。なるほど、普段のおひたしでいうゴマのポジションだな。
クミンシードがゴマの代わりと思うと活躍の舞台は広がりそうだ。ゴマ団子ならぬ、クミンシード団子なんてできたりして!?笑
その他の食べられるホールスパイスを風味じゃなくて食感という観点から見るといろいろと面白いことになりそうだ!コリアンダーシード、マスタードシード、キャラウェイ、フェンネル(ちょっとクセ強いかな?)
カレーもいいけど、スパイスを使っていろいろ遊びたい。
人生に少しだけスパイスを。
【レシピ】大人のポテサラ(2/18料理教室)
普段のお料理に少し加えるだけでも、お!?っと思わせてくれるのもスパイスの魅力ですね。僕は最近とにかく色んな料理にスパイスを加えて新しいアレンジを探しています。
今回は2月18日の料理教室でもご紹介したポテトサラダのスパイスアレンジレシピをご紹介します。
【大人のポテサラ】
<材料>
・ジャガイモ: 300g(湯がいておく)
・シーチキン: 100g
・マヨネーズ: 45ml
・塩: 3ml
●ホールスパイス(乾煎り)
・マスタードシード: 1ml
・コリアンダーシード: 1ml
・ブラックペッパー(粗挽き): 1ml
●パウダースパイス
・ターメリック: 1ml
・クミンパウダー: 1ml
・カイエンペッパー: 1ml
<作り方>
全部、混ぜるだけ。
めっちゃ簡単ですね!(ポテトサラダやからね。) カイエンペッパー、ブラックペッパーが入っているのでピリっともふんわりとも辛い大人な仕上がりになってます。ちびっ子がいて辛いのはちょっと、、、という場合はこの2つの量を減らす、カイエンペッパーをパプリカパウダーに置き換えるといいと思います。
シーチキンはハムやベーコン、ゆで卵なんかに変えてもおいしそうですね^^
人生に少しだけスパイスを。
【レシピ】にんじんのアチャール(2/18料理教室)
カレーのお供って言われると多くの人は福神漬け、らっきょうを連想しますよね。ルゥのカレーとか、ホテルのカレーとかいわゆる欧風カレーの場合、この二大巨頭がカレーの横に鎮座することになるんですが、スパイスカレーやインドカレーの場合はアチャールと呼ばれる漬物類が添えられます。
スパイスカレー屋に行くとその店々のアイディアが詰まったアチャールに出会えるので、僕が外にカレーを食べに行く場合はカレー以外の楽しみの一つにしています。
今回は、とにかく簡単に作れるアチャールとして、2月18日の料理教室でも登場したニンジンのアチャールをご紹介します。
【ニンジンのアチャール】
<材料>
・にんじん: 1本(200g)(スライスして塩もみ)
・オリーブ油: 15ml
・酢: 200ml
・塩: 少々
●ホールスパイス(乾煎り)
・クミンシード: 1ml
・マスタードシード: 1ml
●パウダースパイス
・ターメリック: 1ml
・カイエンペッパー: 0.5ml
<作り方>
和えるだけ。
スパイスも手に入りやすいものですし、和えるだけというとにかく簡単なレシピです。常備菜として冷蔵庫で2週間くらいもつと思います。ニンジンを他のお野菜に変えたりしてもいいですね。
人生に少しだけスパイスを。
【レシピ】バターチキンカレー(2/18料理教室)
2月18日の料理教室に参加の皆さん、ありがとうございます。
当日のレシピはこちらで事前に公開させていただきます。
【バターチキンカレー】
<材料 4人前>
●マリネ用
鶏肉:200g
レモン汁:1/4個分
にんにく(すりおろし):3g
しょうが(すりおろし):3g
塩:少々
プレーンヨーグルト:75g
●マリネ用スパイス
ターメリック:2ml
カイエンペッカー:2ml
パプリカ:3ml
ガラムマサラ:2ml
フェンネルシード:1ml
●カレーの素用
たまねぎ:125g(中1/2個)
トマト:100g(中1/2個) ホールトマトでもOK
油:40ml
●カレーの素用スパイス(ホール)
クミンシード:2ml
カルダモン:2個
クローブ:3個
シナモン:1片
●カレーの素用スパイス(パウダー)
コリアンダー:5ml
●煮込み用
バター:10g
水:50ml(目安)
カスリメティ:2つまみ
<作り方>
①マリネ用の材料・スパイスを混ぜ合わせ冷蔵庫で2日間保存
②カレーの素用スパイス(ホール)をテンパリング
③玉ねぎを強火で飴色になるまで炒める
④トマトを加え、ペースト状になるまで炒めたら弱火にし、パウダースパイスを加え、全体を馴染ませる。
⑤マリネした鶏肉、バター、水を加え10分程度煮込む。
⑥仕上げにカスリメティを加えて混ぜ合わせれば完成
鶏肉はモモ肉でもムネ肉でもどちらでもいいと思います。食べ応えと見た目でいけば手羽元もおいしそうですね。
ちなみにマリネしたものをそのままオーブンで焼けば、タンドリー風チキンとしておいしく食べられます。(僕は仕込む際にこっそり2-3個抜いて、焼いて食べちゃいます。)
人生に少しだけスパイスを。
スリランカ滞在記Vol.15(サンボールとムニムニが絶品)
耳あたりのよい調理の音で目が覚める。やばい!メモとペンをもって急いでキッチンへ向かう。料理を教えてくださいとは言ったものの、ママは毎度予告なしに淡々と調理を始める。幸いにもまだ材料を切り終わったところのようだ。
「サンボールは好き?」と聞かれたが、昨晩ダンブッラで食べたそれが美味しくなかったので、正直に伝えた。「大丈夫、ウチのは美味しいから」とせっせとサンボールを作り始めた。
庭におかれたかなり年季の入ったすり台でチリやココナッツファインといった材料をがちゃがちゃと潰し混ぜて最後にガーっとライムを絞ってサンボールができた。ライムの鮮烈な香り。昨晩のものとは既に違う。
さらにママは「今日は面白いものを作ってあげるね」と見たこともない道具を出してきた。
うわ~、めっちゃたいそうなん出てきた。どうやらところてん方式で麺を作る器具らしく、中央がるつぼのようになっていて両側に持ち手がついている。器具に見とれていたが、ママは淡々と調理を進める。小麦粉と水をボウルでこねて、るつぼ部分に投入し、ハンドルを握ってムニムニと素麺くらいの麺を出す。手の平くらいのザルの上に満遍なくムニムニを盛る。これをひたすらこしらえる。
僕もムニムニを体験させてもらったが、これがめちゃくちゃ難しい。均一にハンドルを握らないと均一にムニムニが出てこない。さらに大きな器具をザルの上で小さく動かすのにも器用さが求められた。
ザルのムニムニを鍋に重ね入れ、蒸しあげればストリングホッパーの完成だ。
蒸している間にポテトのココナッツカレーを作った。
ストリングホッパーも蒸しあがり、全てを器に盛り付けたらいよいよいただきます!
サンボールは昨晩、ダンブッラで食べたものとは比べ物にならないくらいに美味しかった。ココナッツのシャキシャキした食感にチリとライムの鮮烈な風味がたまらない。ココナッツのまろやかさとモルディブフィッシュの旨みが噛むごとに広がる。これが本物。昨日サンボール嫌いになりかけて、今日大好きになりました。
ストリングホッパーはほぼ素麺でした!正確にいうと夏場食卓に並ぶ冷麦の後半戦。麺同士がくっついて箸で解せないあの状態が一番近いです。これを甘みのあるスープタイプのポテトのカレーをかけて食べます。これもめっちゃ美味しい。この滞在期間中に食べたものの中で一番美味しかった。ピリ辛フレッシュなサンボールを混ぜて食べるとさらに美味でした。(このブログ書いててまた食べたくなってきた)
ちなみにこの日は、日本で働いている息子さんが帰って来ていたのでみんなで食卓を囲みました*
2日ぶりだけど、家庭の味はやっぱりいい。大阪のスパイスカレーのように鮮烈なカレーやインド料理屋のこってりとしたスパイス料理もいいけれど、僕が求める作りたいスパイス料理は毎日食べられるものなんだと感じた。
人生に少しだけスパイスを。