Spicy Life Maker blog

人生に少しだけスパイスを。

ムスリムフレンドリーのカレーを作ってみた

今年はカレーを振る舞う年。となんとなくそんな抱負を立てている。

 

引き寄せの法則とでも言うのか、つい先日「約30人前よろしく」とカレー提供の相談をいただいた。

よし、気合い入れて作るぞー!とメニューをあれこれ考え出した頃、またスマホが鳴り「ゲストにイスラム教徒がいるので豚肉は使わないで」と連絡が入る。

 

お、ムスリムフレンドリーか。いつか取り組んでみたいなーと思っていたテーマだったので、カレーの提供も含め、願ったり叶ったりの申し入れとなった。よし、ムスリムフレンドリーカレーを作ろう。

 

ちなみにムスリムフレンドリーとは、イスラム教を信仰する人(ムスリム)に寄り添ったサービスや商品を提供すること。よく聞くハラール対応との違いは、イスラムの戒律に完全に準拠しているか、否かということ。

つまり100%イスラムの戒律に準拠していなければハラール対応とは言えない。その他1〜99%の対応はムスリムフレンドリーとなる。

 

食におけるムスリムフレンドリー対応の範囲は広く、俗に言うノーポークノーアルコール(豚肉とアルコール未使用)程度のものから、豚肉のエキスや化学調味料を使わないこと、鳥や牛などの食肉も戒律に沿って処理されたものを使用することなど様々。

さらに口に入れるものだけではなく、調理環境にも留意点はある。上記の食材と混ざってはいけない。とか、なんなら調理する人もムスリムで!みたいなことまでも。

 

なんでもかんでも食べられるほとんどの日本人からはちょっと厳しさを感じてしまう。でもムスリムの人たちは「くそ、めっちゃ厳しいぜ。辛いな」とはもちろん感じていない。信仰の深さも様々なのでこれくらいでOKって言う人もいる。それが文化・生活感なのだ。世の中の価値観は本当に多様だ。

 

しかし、対応のほとんど整っていない環境で生活し辛いのは事実。

知り合いのムスリムは社員食堂や飲食店で食べられるものがほとんどなく、日本食屋でひたすら焼き鯖定食を食べていた。"何を食べたいか"という基準ではなく、"何が食べられるか"という基準で毎食と向き合っていた。

 

話のほとんどが前振りになってしまったが本題に戻ります。

ということで、ハラール対応は無理なのでムスリムフレンドリーでカレーを作ることに。ただ、ゲストの信仰の深さはわからない。依頼主からは豚肉なしでとは言われているがやるに越したことはないので僕なりにできる範囲のムスリムフレンドリーカレーを作ろう!と決めた。

 

まずは肉。言わずもがな豚肉は使えないので、鳥・牛・羊から選ぶ。最近は業務スーパーでもハラール対応の鶏肉が手に入るのでチキンカレーにすることに。

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野菜でもよかったけど他のゲストのことも考えると肉のカレーが良い。

その他の食材や調味料、スパイスはいつもと同じ。化学調味料・添加物の入ったものは普段通り使わない。

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ここで気がついた。

 

調理環境以外のムスリムフレンドリー対応って、肉の選定以外は普段通りである程度の基準でクリアしてるじゃないか!!!

 

確かにスパイスカレーは全ての構成要素を自分で選定できるため、意識すればとことん健康的な料理になる。ということはこれまでも提唱してきた。それが少し角度を変えると宗教や食文化にも貢献できる。改めてスパイスカレーの懐の深さ、裾野の広さを感じた。

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ということで今回は結局いつも通りのチキンカレー(肉だけハラール対応)が完成し、提供することができた。

ムスリムのゲストの方にも喜んでいただき、その他のゲストの皆さんにも「うまい!」と言っていただけたので嬉しかった。

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やっぱり僕は食べる人のことを考えて作る料理が好きだな。

 

 

人生に少しだけスパイスを。